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ブライダル映像、舞台映像の編集に活用

VIDEONETWORK 岡 英史氏

 oka_01.jpg 「EDIUSになる前から、旧カノープス製品を使って来ましたからね」と話すのは、VIDONETWORKの岡英史さん。岡さんは現在、舞台撮影、ブライダル撮影、番組素材撮影を中心に活動しているビデオカメラマンです。機材のテストリポートを、映像業界紙『VIDEO JOURNAL』(伸樹社発行)やビデオ雑誌『ビデオサロン』、映像業界Webマガジン『PRONEWS』などに寄稿しており、各メーカーの機材を幅広く扱った経験を持っています。また、新製品や映像イベントのレポートを行なうUSTREAM番組『HD USERS』でも活躍されていました。

複数のコーデックを混在させても軽快にネイティブ編集

oka_02.jpg 「ブライダルは基本的に1カメで撮影し、舞台撮影は記録映像として請けることが多いので、3カメラをベースにしながら、予算内容に応じてカメラを増やしています。撮影から編集、納品までを一括して受け、編集にはEDIUSを活用しています」。

 岡さんがグラスバレー製品を使い始めたのは、旧カノープス製品のDV Rex。DVCAM素材をビデオキャプチャーするのに利用し始めました。その後、DV Stormを使うようになったところ、付属していた編集ソフトウェアがEDIUSだったというのが、EDIUSとの出会いになったようです。実際に使い始めてみると、動作が軽く、ユーザーインタフェースが分かりやすかったことが、継続利用につながりました。

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 「動作が軽いのは、編集時間を圧縮することにもつながっています。MPEG系の素材を含め、大抵のファイルを読み込むことができ、タイムライン上で複数のコーデックを混在させながらもレンダリングせずにネイティブで取り扱うことができる。撮影から納品までの時間に限りがあるブライダル撮影にとって、ファイルを変換することなく扱えるのは大きな強みですね」。

クライアントの確認にDVD/Blu-ray書き出し機能を活用

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 1カメでのブライダルとは異なり、舞台撮影ではマルチカム収録になります。タイムライン上でカメラ素材を切り替えていくのも、EDIUSは快適な操作感が得られていると、岡さんは話す。「舞台撮影のマルチカム収録から最終映像をどう作るかという意味では、最近は低価格なビデオスイッチャーも出て来ているので、現場でスイッチングした映像を録るという方法も出て来ています。しかし、ライブスイッチングでは切り替えミスをしたり、タイミングをしっかり合わせることは難しいので、基本はマルチカメラで収録し、その素材のタイムコードを利用しながら、タイムライン上で切り替えて編集していきます。カメラがGenLockで同期されたものでなくても、ファイルに記録されたタイムコードで合わせることもでき、マルチカム編集にとりかかりやすいですね。編集も、テンキー操作で使用するカメラ素材をライブスイッチングのように決定でき、作業がスムースです」。

 舞台撮影の編集では、演者の配役と名前の入力ミスを抑えるため、クライアントに演者の名前などを打ち込んでもらうことが増えているという。支給してもらう時にはPhotoshop PSDデータを利用しています。岡さんは、「EDIUSがPhotoshop PSDデータを直接読み込むことができるため、編集がスムースになると同時に入力ミスも減らせて都合が良い」と話しました。標準のタイトラー機能については、「モーションが付いたテンプレートなどが強化されれば、より業務利用でより使いやすく活用できるものになるのではないか」と話し、現在は多機能テロッパーである、NIXUS TelopCanvas 3 Proも使用している。

 編集内容のクライアント確認には、EDIUSから直接DVDやBlu-rayに書き出してメディアを作成しています(EDIUSならタイムコードの焼き付けも簡単に行えます)。他のソフトを使うことなくビデオを書き出せるので、ワークフロー的にもシンプルになっています。

ステレオスコピック3D映像の編集にも活用


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 岡さんは、4Kだけでなくステレオスコピック3D(S3D)の映像も活用している。4K映像に注目が集まるようになって、S3Dコンテンツへの関心が下がってしまっているが、岡さんは「ニッチな市場ながら、3D視聴のニーズはある」と話す。

 「4K対応テレビはもちろん、最近のハイビジョンテレビやBlu-rayレコーダーは3D機能を搭載しているので、活用しない手はありません。4Kの編集に比べれば、フルHDで2画面分の3D編集は、マシンへの負荷は軽いものです」。

 編集は、左目の映像を先に編集して、それに右目の映像を追加して、赤青メガネを使うアナグリフで確認しながら作り込み、最終的に3D対応テレビで確認してから出力しています。このS3D映像制作においても、EDIUSは使いやすいと言う。

 「3D機能については、視差調整機能が揃っているので、非常に使いやすいです。画角の同じ1枚の映像から左右の視差を作って擬似的な3D映像を作ったり、タイトルを3D空間内に配置することができます。3D対応ディスプレイを接続すれば、3Dで確認することもできます。せっかくの使いやすい機能なので、可能であればカメラの位置と視差、コンバージェンスポイントの位置関係がより分かりやすいグラフィカルなものにしてもらえると助かりますね」(立体視調整エフェクトについて)

 岡さんはEDIUSについて、「どのソフトウェアにも言えることですが、1本でやりたいことのすべてに対応できるようなものはないと思うんです。適材適所て活用していくのが良いのではないでしょうか。タイムライン編集の速さや快適さで言えば、EDIUSはナンバーワンの製品ですね」とまとめました。

(取材:イメージアイ秋山謙一)

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