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インターレースとフレームレート

02 | インターレースとフレームレート

インターレース

ブラウン管のテレビは、目に見えない速度で左上から右下に向かって画面を描いていっています。これを「走査」と呼びます。

※ 正確にはブラウン管全体の走査開始点は画面上方中央ですが、ここでは有効領域の描画という意味でわかりやすく書いています。

走査の概念
走査の概念

昔のテレビは走査の速度が遅かったので、全画面の走査を一度にやろうとすると上から下へと画を書き換えているのが目に見えてしまいました。そこで、奇数段目と偶数段目の2回に分けて画面上の走査を行なうことにしたのです。これが「インターレース(飛ばし走査)方式」です。

飛ばし走査の概念

フィールド

1回分の走査によって描かれる画を「フィールド」とよびます。1フレームは2フィールドで成り立っています。

フィールドには、偶数番目のフィールド(Even Field)と奇数番目(Odd Field)のフィールドがあります。しかし「偶数・奇数」は、一番上のフィールドを「0」と数え始めるか、「1」と数え始めるかで逆になってしまいます。ソフトウェアによって、数え方が逆になっている場合があるので注意が必要です。 もしこれが逆になってしまうと、両フィールドを足して作られた映像の形が崩れてしまいます。

フィールドの上下が逆
フィールドの上下が逆になった図

より安全な言い回しとしては、「上位フィールド(Top Field)・下位フィールド(Bottom Field)」というものがあります。こちらの呼び方なら、一番上のフィールドが上位だということがはっきりします。このテキストも、以下は上位・下位と書いていきます。

優先フィールド

上位・下位のフィールドの、どちらが先か?という決まりは基本的にはありませんでした。放送の場合は、延々と上・下・上・下・・・と流していますから、どちらが先か?などという概念は、卵が先か鶏が先かを問うようなものです。
ですが、デジタルデータの場合は「データの先頭」があり、「上位フィールド用データ」と「下位フィールド用データ」を、どういう順で並べておくのかが規格として定義されています。これを優先フィールドといいます。もしこれが逆になっていると、以下のようなことになってしまいます。

上位フィールドが先

「上位フィールド優先」と意図していたのに、これを「下位フィールド優先」と間違えてしまうと、

下位フィールドが先

というように、フィールドの再生順が狂い、ガタガタな動きの画面になってしまうのです。

フレームレート

1秒間に何枚の絵(フレーム)を表示するかの値をフレームレートといいます。 映画のフィルムは1秒で24コマを見せていますから、フレームレートは24です。
テレビの場合は、インターレースが絡むので、少し話がややこしくなります。1枚の画面が完成するには、奇数段の走査と偶数段の走査が必要なことは先に述べました。日本のテレビは、1秒の間に60回の走査を行いますので、完成画面数で言うと「30枚分」ということになります。(実際は以下で説明するドロップフレームを計算に入れて「60」は59.94、「30」は29.97ですが、ここでは話をわかりやすくするために30と60で説明しています。)しかし実際には、奇数段の走査と偶数段の走査の間、1/60秒にも、絵が動いている場合があるのです。この場合、奇数段と偶数段を合わせた「1フレーム」は以下のようなものになり、これを映画のような「1コマ」と呼ぶのは抵抗があります。

1/60の間に動いて、くし状になってしまった画

つまりテレビは、「動き」で言うなら秒60コマ分の動きを表現していて、「解像度」で言うなら秒30コマ分の情報量しかもっていないとも言えます。
以上の理由で、映像がインターレースなのかプログレッシブなのかによってコマ数の考え方が変わるため、フレームレートを表記するときは、インターレースならフィールド数の後ろに「i」を、プログレッシブならフレーム数の後ろに「p」を付けるのが通例です。

  •  60i → インターレースで秒60フィールド(30フレーム)
  •  24p → プログレッシブで秒24フレーム

放送や家庭用VTRでは、日本・アメリカでは59.94i(60iのドロップフレーム)が、ヨーロッパや中国では50iが使われています。

ドロップフレーム

日本の放送規格NTSCは、正確には1フレームを表示するのに1/30秒よりほんの少しだけ時間がかかり、平均すると秒29.97フレーム(59.94フィールド)になります。これを「秒30フレーム」としてカウントしていくと、徐々に実時間とズレが生じてしまいます。
そこで、タイムコードでは、

  • 原則、毎秒30フレーム数える(00~29)
  • 毎分00秒のときは例外として2フレーム少なく数える(02~29)
  • ただし毎10分では、30フレーム分数える(00~29)

というルールになっており、この数え方をドロップフレーム(DF)と言います。
こんな妙な数え方をせず、単純に毎秒30フレームとする数え方もあります。これをノンドロップフレーム(NDF)と言います。テレビ番組などではドロップフレームが、短い作品(CMなど)ではノンドロップフレームがよく使われています。なお、これらはあくまで「タイムの数え方」の違いであり、ドロップフレームと言っても本当にフレーム(絵)自体を落としたりしているわけではありません。

キネコとテレシネ

ビデオ映像をフィルムに変換(撮影)することを「キネコ」、 逆にフィルムをビデオに変換することを「テレシネ」と呼びます。デジタル全盛の今でも、映画ではフィルムが使われていますが、キネコによってデジタル編集で映画制作ができるようになりました。問題なのは、ビデオとフィルムではフレームレートが合わないことでしたが、24pに対応したビデオカメラ規格が続々と登場しています。

映画・プロダクション向け

  • SONY ”シネアルタ”シリーズ
  • Panasonic ”バリカム”シリーズ

個人・小規模プロダクション向け (100万円以下)

  • SONY HVR-V1J
  • Panasonic AG-DVX100シリーズ
  • VictorJVC GY-HD100
  • CANON XL-H1 (24F)

低価格帯の機種は「プルダウン」という方法によって内部的にコマを落とすことで、既存規格のDV/HDVテープ上に24p映像を書き込むことを実現していますが、編集ソフトによっては対応していない場合があるので注意が必要です。(EDIUSでは、ほぼ全ての24pカメラの編集に対応しています。)