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シナリオの表現

04 | シナリオの表現

音声としてのことばを記述する

シナリオには映像の描写とともに、音声としてのことばを記述する必要があります。
それには次の3つの方法があり、これらをどのように組み合わせるかが、映像理解を促す上で重要です。

・ナレーション(語り)
・現場リポート
・インタビュー

書くことばと耳で聞いて分かることば

いずれのことばも、耳で聞いて理解できることが大前提です。
私たちは日常生活の中ではあまり意識することなく、話し言葉と書き言葉を使い分けています。シナリオは「書く」ものですが、その内容はあくまでも視聴者が「聞く」=音だけで意味が伝わる言葉であるという意識が必要です。また、時間的に一方通行なので、後戻りして確認することはできません。

音だけで、意味が伝わることばにするポイント

音だけで意味が伝わることばにするポイントは次のようになります。

同音異義語をさける

手紙やメール、対面や電話での会話と違い、映像の音声に同音異義語があると、意味が不明瞭になることがあります。

<例>
「コジン」=「個人?」「古人?」「故人?」
↓意味が明確なことばにおきかえましょう
個人→「ひとりひとり」
古人→「昔の人」
故人→「亡くなった人」

聞き取りにくいことばをさける

ことばには聞き取りやすい音と聞き取りにくい音があります。
一般的に、マ行・ラ行・ナ行・ヤ行の音は聞き取りにくいと言われています。

<例>
「約10万」(ヤクジュウマン)が「ヒャクジュウマン」と聞こえることがある。

「およそ10万」と言い換えたりします。

内容を簡潔に

シナリオを書き始めると、内容をより明確に、具体的に伝えようとして、ナレーションが長くなりがちです。しかし、映像を見てわかる内容であれば、本来ナレーションは必要ないのです。冗長的なナレーションは、かえって映像の邪魔になることさえあります。情報と情報のつなぎを適度に補完するナレーションは、視聴者を映像に引き込むことができるでしょう。

一文の長さを短くする

映像内の音声によることばは一方通行で、後戻りして確認できません。
そのため、次の点に注意しましょう。

・文の長さは短く(一文は15字~30字以内が目安)
・主語は文頭に持ってくる
・形容詞・句と被形容詞・句をできるだけ近づける。
・複文(ひとつの文の中に主語・述語が二組以上ある)は避ける
・できるだけ単文(ひとつの文の中に主語-述語が一組だけ)にする

難しいことばは使わない

日常の話しことばで使わないような難しいことばは、シナリオにも使わないことです。
例えば、次のような種類があります。

・漢語・慣用句
 <例> 「悲喜交々(ひきこもごも)」→「喜んだり、悲しんだり」

・専門用語
 <例> 「薬効(やっこう)」→「薬の効果」、「遮光(しゃこう)」→「光をさえぎる」など

・外来語
 <例> 「タイムラグ」→「時間差」、「ツール」→「道具」など

視聴対象者が特定の専門家の集団であるような場合、ことばを過度に平易化してしまうと、くどい映像になるだけでなく、情報を効率的に伝えられなくなってしまいます。対象視聴者の「理解レベル」を調査・把握した上でシナリオで用いることばを決めることも重要です。

リズムを大切に

話しことばは音声であり、抑揚・リズム・強弱・間が悪いと、ナレーターも読みづらく、視聴者の耳に心地悪いだけでなく、意味も取りにくくなってしまいます。
話しことばの部分は実際に声に出して読んでみて、ことば全体がスムーズに流れるかのチェックも必要です。

文章をかな書きに直して、声に出して読んでみる

実際には自分で書いたシナリオを自分自身でチェックするのは難しいものです。できれば第3者に読んでみてもらうのが良いのですが、適当な人がいない場合は、シナリオの文章をかな書きに直して声に出して読んでみると、ある程度の目安になります。
かな書きされたシナリオを読んでみて、意味がわかりにくかったり、ひっかかったりする箇所があれば、別な表現を探してみた方がよいでしょう。