HD(High Difinition)
02 | HD(High Definition)
デジタルテレビジョン放送方式
日本のテレビ地上波放送は、2011年夏までに完全デジタル化されることになっています。これによってアナログ(NTSC)放送は廃止され、ISDB (Integrated Services Digital Broadcasting) と呼ばれるデジタルテレビ放送規格へ全面移行することになります。
| SD | 480i | 480p |
| 走査線数/有効走査線数 |
525/480 |
525/480 |
| 有効画素数(横×縦) |
720×480 |
720×480 |
| アスペクト比 |
16:9又は4:3 |
16:9 |
| 走査方式 |
インターレース |
プログレッシブ |
| フレーム周波数 |
30/1.001Hz |
60/1.001Hz |
| フィールド周波数 |
60/1.001Hz |
– |
|
|
| HD | 1080i | 1080i | 720p | 1080p |
| 走査線数/有効走査線数 |
1125/1080 |
1125/1080 |
750/720 |
1125/1080 |
| 有効画素数(横×縦) |
1920×1080 |
1440×1080 |
1280×720 |
1440×1080 |
| アスペクト比 |
16:9 |
16:9 |
16:9 |
16:9 |
| 走査方式 |
インターレース |
インターレース |
プログレッシブ |
プログレッシブ |
| フレーム周波数 |
30/1.001Hz |
30/1.001Hz |
60/1.001Hz |
30/1.001Hz |
| フィールド周波数 |
60/1.001Hz |
60/1.001Hz |
– |
– |
| 備考 |
衛星デジタル放送(ISDB-S) |
地上波デジタル放送(ISDB-T) |
CSデジタル放送 |
実証試験中 |
|
|
上の表のように、ISDBが定めるデジタルテレビジョンにはいくつかの方式があります。そのうち、下記の3つがいわゆる「デジタル・ハイビジョン」です。
※ただし、1080pは現在まだ実運用はされていません。
- 走査線1080本(1125本)のインターレース(飛び越し走査)方式 1080i
- 走査線720本(750本)のプログレッシブ(順次走査)方式 720p
- 走査線1080本(1125本)のプログレッシブ方式(順次走査) 1080p
ハイビジョン放送は正式には、高精細度(HD=High Definition)テレビ放送と呼ばれ、標準的な解像度[Standard Definition]の方式SD と比較して、より高解像度、高精細、高品位な方式の事です。
HDデジタル映像・音声信号記録フォーマット
HDのデジタル映像・音声信号を記録するフォーマットのうち、代表的なものが下表です。記録メディア、解像度、サンプリング方式、データレートなどの違いで、さまざまなフォーマットが存在しています。
主要なHDフォーマットの比較(1)
| HDCAM (D-11) | MPEG HD | HD D5 |
| 記録メディア |
1/2インチテープ |
光ディスク (プロフェッショナル・ディスク) |
1/2インチテープ |
| 映像圧縮方式 |
DCT+可変長符号 フレーム内1/7 |
MPEG2 MP@ML
|
DCT+可変長符号 フレーム内1/4 |
| 映像サンプリング |
3:1:1 |
4:2:0 |
4:2:2 |
| 映像記録レート |
144Mbps |
35/25/18Mbps |
235Mbps |
| 映像量子化数 |
|
|
8bit/10bit |
| 水平画素 |
1440 |
1440 |
1920 |
1280 |
| 垂直画素 |
1080 |
1080 |
1080 |
720 |
| フレームレート |
24p, 25p/50i 30p/60i |
50i/60i, 25p 24P/30P |
50i/60i, 25p 24P |
60p |
| 音声圧縮方式 |
リニアPCM |
リニアPCM |
リニアPCM |
| 音声記録レート |
1.8Mbps(2ch) |
1.5Mbps(2ch) |
1.8Mbps(2ch) |
| 音声サンプリング/量子化数 |
48kHz/20bit |
48kHz/16bit, 4ch |
48kHz/20bit, 4ch |
| 採用メーカー |
SONY |
SONY |
Panasonic |
|
|
主要なHDフォーマットの比較(2)
| | DVCPRO HD (D-12) | HDV |
| 記録メディア |
1/4インチテープ/P2カード |
1/4インチテープ |
| 映像圧縮方式 |
DCT+可変長符号 フレーム内1/6.7 |
MPEG2(MP@H-14) |
| 映像サンプリング |
4:2:2 |
4:2:0 |
| 映像記録レート |
100Mbps |
25Mbps |
19Mbps |
| 映像量子化数 |
8bit |
8bit |
| 水平画素 |
1280 |
960 |
1440 |
1280 |
| 垂直画素 |
1080 |
720 |
1080 |
720 |
| フレームレート |
60i 24p / 30p |
60p 24p / 30p |
60i 30p / 24p |
60p / 30p |
| 音声圧縮方式 |
リニアPCM |
MP3 |
| 音声記録レート |
1.5Mbps (2ch) |
384kbps |
| 音声サンプリング/量子化数 |
48kHz / 16bit, 8ch |
48kHz / 16bit |
| 採用メーカー |
Panasonic |
SONY, Canon, Vicotorなど |
|
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主要なHDフォーマットの比較(3)
| | AVCHD |
| 記録メディア |
HDD、DVD、メモリーカード |
| 映像圧縮方式 |
MPEG-4 AVC/H.264 |
| 映像サンプリング |
4:2:0 |
| 映像記録レート |
~24Mbps |
| 映像量子化数 |
8bit |
| 水平画素 |
1920 |
1440 |
1280 |
| 垂直画素 |
1080 |
1080 |
720 |
| フレームレート |
60i / 50i / 24p |
60P / 50P / 24P |
| 音声圧縮方式 |
ドルビーデジタル(AC-3) |
リニアPCM |
| 音声記録レート |
64~ 640kbps |
1.5Mbps(2ch) |
| 音声サンプリング/量子化数 |
48kHz / 16bit |
| 採用メーカー |
SONY、Panasonicなど |
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HD → SDへの画面変換方法
HD画像データを、SD画像データへ変換することを、ダウンコンバート(略して「ダウン・コン」)と言います。現状、HD画面のアスペクト比(横と縦の長さの比)は16:9の一種類ですが、SD画面はアスペクト比4:3(ノーマル)と、16:9(ワイド)の2種類があります。このため、ダウンコンバートには次の3つの方法が存在します。
HD→SDのデータ変換(ダウンコンバート)の種類と特徴

| 名称 | 概要 | メリット/デメリット |
| スクイーズ |
16:9のHD映像を横方向に縮小(スクイーズ)して4:3のSD映像として出力する。SD再生時に横方向に伸張して16:9の画面に復元する。 |
SDの解像度を最大限に使うことができる。 |
| ワイド画面モニター(テレビ)が必要。一般の4:3のテレビ画面の場合、横方向に縮んだまま表示されてしまう。 |
| レターボックス |
4:3画面の上下をマスク(黒帯)して、4:3のSD画面の中央に16:9映像を表示。 |
4:3のモニターでも16:9の映像がすべて表示できる |
| 上下のマスク分、他の方法と比べて縦方向の解像度が小さい。 |
| エッジクロップ |
16:9映像の両端をカットして、4:3映像として出力 |
4:3のモニターでも再生できる。縦方向はSD画面いっぱいに表示される |
| アスペクト比16:9のオリジナル画像の両端がカットされてしまう。 |
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